ジャズギターレッスン

ジャズギターを聴いてみよう!

【効果的なジャズギターの聴き方】

ロック、ポップス、フォーク、R&B、クラシックなどのギターはすんなり聴けていたんだけど、ジャズギターって難しくて何をやってるのかよくわからない!と思っている人も多いのではないでしょうか?

そんな方達のために、わかりやすくて効果的なジャズギターの聴き方を紹介してみたいと思います。

ちょっと視点を変えて聴き方や聴きどころを意識することで、理解が深まりますよ。

【ギタートリオがおすすめ!】

ジャズギターには、いろいろな編成があります。

チャーリークリスチャンがダイナミックなビッグバンドの上で優雅なギターを弾いていたり、ジョーパスのソロギター、ウェス・モンゴメチーのストリングスの効いたイージーリスニング、フレディーグリーンの心地良い刻みや、ケニーバレル&ジョンコルトレーンなどのサックス入りのコンボなど、どれも素晴らしいですね。

一方で、名盤が多すぎて何から聴いていいのかわからなくなってしまいませんか?

それらを、聴きあさり研究するのは感性を育てるのに非常に役に立つので、とても良い事だと思います。

しかし、ジャズを聴き慣れていない人にとっては、ちょっと難しくてハードルが高いかもしれません。そんな方達のためにわかり易くて学びある聴き方を紹介します。

私のおすすめの聴き方は、バンドの編成を統一して聴き比べをします。そうすると、ギタリストたちの特徴をわかりやすく比較できます。

編成を統一するってどういうこと?

それはズバリ!ギターとベースとドラムのギタートリオで演奏されている音源をチョイスして聴き比べをします。

よく、ジャズギタリストとしての実力がわかるのは、「ギター、ベース、ドラム」この編成のギタートリオだと言われます。

でも、どうしてギタートリオだと実力がわかるのでしょうか?
その理由を考えてみましょう。

・テーマは自分で取らなければいけない。(ほとんどのメロディとハーモニーをギターで弾く)
・ベーシストのソロの時は伴奏しなければいけない。(コンピングなどのサポートとしての技術)
・ドラマーとの掛け合いで盛り上がりを作れる。
・ベースとドラムのリズム隊を使ったバンドアレンジができる。(コミュニケーション・アレンジ能力)

このように、センスやコミュニケーション能力など、さまざまな要素を一度に要求されるわけなので、実力が問われる事は言うまでもありませんね。
だから、自分のトリオアルバムこそジャズギタリストの実力だと思うわけです。

そしてこのトリオ編成は、他の伴奏楽器に邪魔されることもないのでメロディやハーモニーが聴き取りやすくてコピーもしやすい事もおすすめの理由です。

 

【おすすめギタートリオのアルバムはこれだ!】

そんな観点から、ジャズギターの技術やセンスが最も出やすい、ギター、ベース、ドラムのギタートリオに的を絞ってお勧めを紹介したいと思います。

バーニー・ケッセル/ポール・ウィナーズ
バーニーケッセルの太い音が心地よいですね。
1956年のアメリカのダウンビート、メトロノーム、プレイボーイなどの雑誌で楽器別のベストプレイヤーに選ばれた3人がトリオを組んで演奏した名盤。アレンジが素晴らしく、バンドのコミュニケーション力が聴きどころ。
正統派の名人たちが作り上げるジャズギタートリオといえばまずこのサウンドでしょう。

ケニー・バレル/ヴィレッジヴァンガードの夜

このアルバムは、数あるヴィレッジヴァンガードでのライブ 音の中でベスト3に挙げられる名盤と言われております。
28歳と言う若さで、ジャズギタリストとして異例の完成度を誇る、まさに不滅の業績。
スピード感あふれるケニーバレルの素晴らしいギタートリオ演奏をぜひ聴いてみて下さい。

グラント・グリーン/グリーン・ストリート

ブルーノート代表するギタリスト、グラントグリーンのセカンドアルバム。基本的に単音で弾かれていて、黒っぽさを感じるクールなアルバム。
ラウンドアバウトミッドナイトはメロディーの美しさを追求した名演と言われています。
個人的に最も好きなギタートリオです。

ジョー・パス/ポートレイツ・オブ・デューク・エリントン

ジャズの父、デュークエリントンのナンバーをたっぷりと堪能できるジョーパスの1974年録音の作品。

このアルバムは全編ギタートリオと言うわけではないのですが、ジョー・パスお得意のギターソロのテイクがバランスよく入っており、全体を通して飽きさせない作りになっています。
まさに職人技ですね。

ジム・ホール/ライブ!

ジムホールはビルエバンスやロンカーターなどのデュオでの名盤が多いのですが、トリオでも素晴らしいアルバムがあります。
このアルバムは1975年にカナダのトロントで行なったライヴの録音。
前衛的で、スリリングなインタープレイを堪能できます。

これらのアルバムは、ギター、ベース、ドラムのギタートリオ編成で演奏されております。
好みはわかれるものの、それぞれ個性的で聴きどころ満載といったところです。
今回はこの5枚のアルバムを紹介しましたが、他にもまだまだありますので興味のある方は自分好みのギタリストを探してみてください。

残念な事に、ウェスモンゴメリーはオルガンとドラムのトリオはあっても、ベースドラムのトリオのアルバムがありません。
個人的にも、ウェスのトリオアルバムを聴いてみたかった!