曲のコード進行に合わせて、そのコード上のアルペジオをパラパラと繋ぎ合わせて弾く練習をしている人を良く見かけます。
この練習をしばらく続けていると、音が段々と外れなくなってきてメロディが繋がって聴こえるので、上手くなったら気分になります。
少し時間が経つと、何か違うんだよなぁと違和感を覚えます。
冷静になって優れたプレイヤーたちの演奏を観察してみると、実際にはアルペジオを繋ぎ合わせて弾いているフレーズなどほとんどない事に気づきます。
そこでやっと、これはジャズじゃないなぁと分かるんです。
さて困った!
このようなアルペジオをつなぎ合わせる練習は、一時的に指板を理解する為なら良いかもしれません。
しかし、これを正解だと思ってやり続けると、必ず行き詰まってしまいます。
基本的にアルペジオやスケールといったものは、楽曲を理解する時やフレーズの分析に使うと効果を発揮します。
分析を繰り返し、ジャズの特徴的な音使いを理解する事で、ジャズにとって自然なフレージングやメロディを聴き分ける耳を育てる事ができます。
そうなればアルペジオやスケールを骨格にしたジャズらしいフレージングも自分で作り出すことも可能になってきます。
これはとても忍耐が必要なので、大抵の人は我慢できなくてアルペジオパラパラ奏法の甘い罠にハマってしまいます。
御多分に洩れず、私もその1人でした。
という事で、アルペジオをパラパラとつなぎ合わせるような練習ではなく、ジャズっぽさを習得する為の、重要な基礎になる具体的な方法をステップに分けて、なるべくわかりやすく紹介したいと思います。
フレーズはたった1つ覚えるだけでいいんですが、ステップが上がるほど難易度が上がっていきます。
最終的にこれをマスターするとギター仙人のようになれるかもしれませんので、ぜひ最後まで見ていただけるとうれしいです。
まずはフレーズを覚えます。
これはオリジナルポジションで、基本形になります。
ドミナントで使えるフレーズです。YouTubeでは枯葉を例にして行っておりますが、自分の好きな曲で構いませんので、前後の音を自然に聴こえるように埋めていきます。
①1弦2弦3弦の組み合わせ
②オリジナルポジションの2弦3弦4弦の組み合わせ
こちらは第1ステップ参照
③3弦4弦5弦
④4弦5弦6弦
①1弦2弦3弦の組み合わせ
この組み合わせはありません。
②オリジナルポジションの2弦3弦4弦の組み合わせ
③3弦4弦5弦
④4弦5弦6弦
こちらは、フレーズに色気というかなんというか。。。そんな効果があります。
各自で試してみてください。
「守破離」の「破」の部分になります。覚えたフレーズをフェイクします。注意点としては、必ずオリジナルポジションをしっかり覚えてからやります。そうしないと、本当にメロディをコントロールできているのかわからなくなってしまいます。ジャズは完璧な演奏など存在しないので、基本的なことがとても重要になってきます。
「守破離」の「離」の部分になります。
今回はドミナント7thでやりましたが、メジャー7、マイナー7、ディミニッシュなどのどんなコードにも応用可能です。
あとは人里を離れてギター仙人になってください!
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