🎸 ブルース伴奏(バッキング)の基本
こんにちは。ジャズギタリストの小暮哲也です。
これまでダイアトニック・コードやテンションなど“基礎のおさらい”をしてきましたが、そろそろ実曲に踏み込みましょう!
1️⃣ なぜ “ジャズ・ブルース” から始めるのか?
ジャズを学ぶうえで、私が特に大切だと考える4つの柱があります。
# | ジャンル | 代表曲・キーワード |
---|---|---|
1 | ブルース | Straight No Chaser ほか |
2 | リズム・チェンジ | I Got Rhythm 進行 |
3 | スタンダード(歌もの) | Autumn Leaves など |
4 | バラード(スロー) | Body and Soul など |
POINT:とくにブルースとリズム・チェンジは “一生追いかける課題”。
「ブルースは嫌い」では、正直ジャズ・ギターは始まりません!
2️⃣ ジャズ・ギター ≒ まず伴奏を録ろう
ギターでコードを押さえつつメロディを弾くのは至難の業。
伴奏(バッキング)をルーパーや MTR に録音 → その上にメロディを重ねれば、
それだけで立派な演奏になります。
- ブルース伴奏を録音 → メロディを乗せる
- スタンダード・バラード・リズムチェンジにも応用可
3️⃣ まずは動画で “実演” をチェック
動画冒頭では、代表的なブルース伴奏パターンをテンポを落として解説付きで実演しています。
手元のアップ映像で指の動きをゆっくり追ってみてください。
4️⃣ 応用パターンのヒント集
- 6 – 4 – 3 弦だけで完結する “ミニマル” フォーム
- 1小節目で ♭VI → V7 のリハモを差し込む
- ジム・ホール風:低音ペダル+高音ヴォイシング
- チャーリー・パーカーのリックをコードに転写
- ラスト 2 小節(ターンバック)の置き換え …など
💬 ワンポイント:難しくするほど良いとは限りません。
“音楽が心地よく聴こえるか” を最優先に!
5️⃣ 今日のまとめ
- ブルースはジャズの基礎体力。避けて通れない
- まずは伴奏を録音 → メロディを重ねるだけでも十分
- 応用はシンプルさ重視で “音楽最優先”
もっと深く学びたい方へ
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お読みいただき、ありがとうございました!
— ジャズギタリスト 小暮哲也
<動画に出てくるコード>


こちらはFのブルース基本コードチェンジになります。スリーコードのチェンジとは違い、少し複雑ですね。

こちらは応用編です。半音上のセブンスを組み込んで、動きをつけることができます。赤で記載されているのが半音上のセブンスです。

【きざみのバッキングを魅力的に演奏するためのポイント】
ビッグバンドなどでよく使われる「きざみ」のスタイルでは、主に6弦・4弦・3弦を使って演奏します。感の良い方はお気づきかもしれませんが、コードの転回形を応用して、さらに幅広い表現をすることもできます。
こうしたきざみのバッキングでは、3つの和音が一体感を持って聞こえることが重要です。そのためにはピックの角度にも気をつけましょう。弦とピックが並行になってしまうと、音が濁りやすくなってしまいます。
さらに、バッキングを豊かにするには、半音上や半音下のセブンスコード、あるいは半音下のディミニッシュコードを効果的に挿入するのもおすすめです。
しかし、複雑なコード進行や難しいテクニックが必ずしもベストとは限りません。時にはシンプルな演奏が最も美しく響くことがあります。
きざみのバッキングだけでも、とても奥深く、これを専門として演奏活動をしているミュージシャンもいるほどです。
次回はジャズブルースでよく使われるテーマやメロディーをいくつかご紹介しますので、お楽しみに!