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第4回|オルタードを理解する:あえてオルタードしないフレーズで学ぶ
こんにちは、ジャズギタリストの小暮です。
このシリーズも第4回目となりました。今回はちょっと変わったアプローチをしてみましょう。
オルタードスケールを勉強していると、どうしても理論やスケールのことばかりに目がいってしまいがちです。でも、逆に「オルタードを使っていないフレーズ」をしっかり覚えておくと、いざオルタードを使った時に「あ、ここが違うんだな」と感覚的に理解しやすくなるんです。
今回は、そんな「あえてオルタードしていない」フレーズを3つご紹介します。どれも私の大好きなギタリスト、グラント・グリーンのようなダサかっこいいスタイルです!
その前に、前回のおさらいをしておきましょう。
前回の復習:オルタードスケールの導き方
オルタードスケールを思い出す時、いちばんシンプルな方法があります。
G7での例:
- Gの半音上、つまりA♭のメジャースケールを弾く。
- そのスケールの3番目の音(ミ)を半音下げる。
- それをGの音から弾くと、G7のオルタードスケールになります。
これは実は、メロディックマイナースケールの応用でもあります。
クラシック出身の方ならご存知かもしれませんが、
- ナチュラルマイナー(自然的短音階)
- ハーモニックマイナー(和声的短音階)
- メロディックマイナー(旋律的短音階)
この3つのスケールのうち、メロディックマイナーを半音下から使えばオルタードスケールと一致するんです。
では、あえて“オルタードしない”フレーズを紹介!
ここからが今回の本題です。
これから紹介する3つのフレーズは、どれもドミナントセブンス(G7)の上で使える「オルタードしていない」フレーズです。
まずは1つ目のフレーズ。テンポはゆっくりでいいので、バウンス感を意識して弾いてみましょう。
(※PDFにTAB譜付きで掲載)
2つ目は、少し寄り道をするような進行で、DマイナーからG7へ向かう途中に独特の雰囲気が出せるフレーズです。
3つ目は、ルートから始まって少しメジャー7のニュアンスも感じられる、ちょっと意外なアプローチです。スライドを入れても良いし、あえて省いてもOK。
どれも「シンプルだけど味がある」──そんなグラント・グリーンらしいフレーズです。
ダサかっこいいって最強!
グラント・グリーンのフレーズって、正直ちょっとダサいと感じることもあるかもしれません。
でも、そのダサさがまた“かっこいい”んです。
あまりにも完璧なフレーズより、少し人間味のあるサウンドの方が心に残る──私はそんな風に思っています。
だからこそ、こういう「ダサかっこいい」フレーズをぜひ体に叩き込んでみてください。
次回は「裏コードとオルタード」
次回はいよいよ、「裏コード」と「オルタードスケール」のつながりについてお話ししていきます。
ここまでの知識がつながってくると、オルタードがどういう場面で役立つのかがグッと見えてくるはずです。
それでは、また次回もお楽しみに!