オルタードを理解する前に知っておくべき5つのこと (その1)

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オルタードを理解する前に知っておくべき5つのこと(その1)

こんにちは、ジャズギタリストの小暮です。

今回は「オルタード・スケール(Altered Scale)」をテーマにしたシリーズの第1回です。動画でも解説した内容に加え、もともとブログで紹介していた文章も合わせて、よりわかりやすくまとめました。PDFも用意していますので、ぜひ記事下部からダウンロードして活用してくださいね。


はじめに:オルタードは“走る”前に“ハイハイ”が必要です

以前、オルタードについての動画を2本アップしたところ、1本目は低評価も多かったのですが、2本目は高評価がぐんと増えました。これってつまり「最初は難しく感じるけど、わかってくると面白くなる」ってことなんですよね。

オルタード・スケールはとても奥が深く、いきなり理解しようとするとつまずいてしまいます。これは、赤ちゃんがハイハイやつかまり立ちを経てからやっと歩き出し、最後には走れるようになるプロセスと似ています。

今回から数回にわたり、「オルタードを理解するために必要な基礎」をじっくり解説していきます。


オルタードに入る前に知っておきたい5つのこと

以下の5つの基礎項目は、オルタードを理解する上でとても大切です。

  1. メジャースケールは弾けるか?
  2. インターバルの知識があるか?
  3. どこで使えるか知っているか?
  4. 裏コードを知っているか?
  5. オルタード系のコードやフレーズを知っているか?
  • 番外編:メロディック・マイナースケールを知っているか?

1. メジャースケールは弾ける?

どんなキーでもメジャースケールを弾けることが基本です。
特に「アベイラブル・ノート・スケール(Available Note Scale)」の考え方を知っておくと、コードとスケールの関係が整理されて理解しやすくなります。

練習としては、どの弦からでも「ドレミファソラシド」をルートから始めて、ルートで終わる形で弾けるかをチェックしてみましょう。


2. インターバル(音程)の知識はある?

音と音の“間の距離”、それがインターバルです。

たとえば「CとGは完全5度」など、理論的な名前を覚えるよりも、まずは「この音とこの音の関係性ってこうなんだな」という感覚がつかめていればOKです。


3. どこで使えるのか知っている?

オルタード・スケールは主に「ドミナント・セブンスコード(特に2-5-1進行の5の部分)」で使います。

そのため、

  • 全てのキーの2-5-1進行が弾けること
  • 各キーのダイアトニック・コードを理解していること
  • ドリアン、ミクソリディアンといったスケールの役割を知っておくこと

これらを先に押さえておくと、オルタードをスムーズに理解できます。


4. 裏コードを知っている?

裏コード(トリトーン・サブスティテューション)は、オルタード・スケールと深い関係があります。

たとえば、G7の裏コードはD♭7。そのD♭7に対応するスケールが、まさにオルタード・スケールになります。

関連スケールとして「リディアン♭7」なども合わせて理解しておくと、音楽的なつながりが見えてきます。


5. オルタード・コードやフレーズを知っている?

オルタード・テンションを含むコード(例:G7♯9、G7♭13 など)を知っていたり、フレーズを実際に弾けるかどうかも重要です。

知っているだけでなく、「音で聴いて違いがわかる」ことを目指していきましょう。


番外編:メロディック・マイナー・スケールを知っている?

これは超重要!

「オルタード・スケール = ドミナント7thコードの半音上のメロディック・マイナー・スケール」なんです。

たとえば、G7オルタード・スケールを弾きたいなら、A♭メロディック・マイナーを弾けばOK。

この発想を知っておくと、オルタードの理解が一気にラクになりますよ。


まとめ:次回も一緒にじっくり学んでいきましょう

今回は「オルタードに入る前の準備」として、最低限知っておくべきことを紹介しました。

これらを先に理解しておくことで、今後のシリーズもぐっと理解しやすくなるはずです。

次回は「メジャースケールの理解と実践」をテーマに、さらに深掘りしていきます。

それではまた!