チャーリー・クリスチャンの研究 Part 3

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チャーリー・クリスチャンの研究 Part 3

チャーリー・クリスチャンが弾かなかったスタンダードで応用してみる

こんにちは、小暮哲也です。いよいよチャーリー・クリスチャンの研究シリーズの第3弾です。

今回のテーマは、「チャーリー・クリスチャンが演奏していないスタンダードナンバーに、彼のフレーズを応用する」という実験的なアプローチです。取り上げた曲は『Taking a Chance on Love』。この曲に、チャーリー・クリスチャン風の語法でアドリブをつけていきました。

面白いのは、彼のフレーズが非常に「コードフォームとつながっている」という点です。だから別の曲に持っていっても、響きとしてはとても自然なんですね。

また、彼の特徴でもある「メジャー感を一時的にマイナーに落として戻す」という表現。これはブルースの影響とも言えるし、当時のオルタードやコンテンポラリーな感覚にも近いものがあります。

演奏中に出てくる「先取りの多さ」「タイミングの絶妙さ」「あえてメジャー7thを避けることでスイング感を強調する」など、彼独特のリズムとフレーズの感覚を感じていただけるはずです。

また、今回は自分自身のフレーズやポジションも混ぜながら、少しずつ発展させていく過程もお見せしています。チャーリー・クリスチャンのフレーズは「学んで終わり」ではなく、「どう自分のものにしていくか」が鍵です。

僕自身、この研究を続ける中で、チャーリー・クリスチャンがなぜここまで多くのミュージシャンに影響を与え、なおかつそれぞれ違う個性を持ちながらも「みんなが彼を尊敬する」理由が、少しずつ見えてきた気がします。

「新鮮な響き」「構造が美しい」「再利用がしやすい」「発展も自在」──だからこそ、彼の音楽は今も輝き続けているんだと思います。

ぜひこの3部作を通して、チャーリー・クリスチャンの魅力を感じ取っていただけたら嬉しいです。PDF譜面と動画もつけていますので、ぜひご活用ください。