教則本は必要?いらない?──悩んでいるあなたへ


はじめに:教則本がどんどん増えてしまう理由

こんにちは、ジャズギタリストの小暮です。

今回は、**「教則本って本当に必要なの?」**というテーマでお話ししていきたいと思います。

皆さんの中には、こういう経験ありませんか?

買ったはいいけど、読まずに積み上がっていく教則本たち。
いつか読もうと思っているうちに、どんどん増えていく…

実は、私もかつて**「教則本マニア」**でした。

そんな中、ある方からいただいたコメントがとても印象的でした。

「私はサックス奏者です。小暮さんと同じように教則本マニアで、吹きもしなかった本が今でも山のようにあります。どうやって教則本から離れたのか、ぜひお話を聞きたいです。」

今回はその問いに、じっくりとお答えしてみようと思います。


「正解」を求めすぎると、教則本が増える

先日、ライブのあとにギターをされている方から質問をいただきました。
持ってこられたのは、コードとスケールがびっしり書かれたリードシート

内容を聞いていくと、とても理論に詳しそうな方でした。
でも、最終的な悩みはこうでした。

「正解がわからないんです。」

これは、とてもよくわかります。

私自身も、正解がほしくて本を買うまたわからなくて本を買う…というループにハマっていた時期がありました。


教則本から離れるには「好きな音楽」に戻ること

では、どうしたらこのループから抜け出せるのでしょうか?

私の答えはシンプルです。

「自分の好きな音楽を表現できるようになれば、教則本はいらなくなる」

たとえば、ジャズで言えば、「このアルバム最高!」と思える作品に出会ったとき、その音楽を自分でも演奏できたら……それこそがゴールですよね。

でも、最初は「名盤」を聴いてもピンとこないこともあるでしょう。

そんなときは、何度も繰り返し聴いてみてください。

人間は、不思議と何度も聴いたものを「いい」と感じるようになるんです。

そうやって、自分の「感性の質」を育てていくことが、遠回りのようで、最も大切なんです。


コピーする力が、あなたを変える

もうひとつ大切なことは、「コピー」することです。

「でも、コピーって難しいし、時間がかかる…」

そう思われる方も多いかもしれません。

でも今は、スロー再生やループ再生ができる便利なアプリもあります。昔のように、カセットテープを巻き戻す必要はありません(笑)

まずは図書館に行って、名盤をCDで借りるのもいい方法です。
お気に入りの1枚に出会ったら、それを毎日聴きこむ
そして、気になったフレーズだけでもコピーしてみるんです。

たとえ1フレーズだけでも、それが超一流のミュージシャンのものであれば、グルーヴや空気感まで染み込んでくるんです。


教則本の正しい使い方

じゃあ、教則本っていらないの?

いえ、教則本は必要です。

でも、大事なのは使い方です。

× 教則本と自分だけの関係になる(閉じこもる)
○ 音楽を聴いて理解できない部分を教則本で補う(橋渡し)

つまり、良い音楽と自分をつなぐ“サポーター”として使うのが正しい使い方なんです。

教則本を使って、

  • 音楽の理解力が深まる
  • 自分の演奏に深みが出る
  • 新しいアイディアが見つかる

…こういった形で使えていれば、もう「教則本に頼りすぎる悩み」からは卒業です。


私が目指しているもの

ちなみに、私自身はグラント・グリーンのようなギタリストになりたいと思っています。

  • クールな音色
  • シンプルだけど説得力のあるフレーズ
  • コードプレイもできる

そんな、表現力と自由さを持ったギタリストを目指して、今も学び続けています。


さいごに:音楽に触れながら、自然と学ぶスタイルへ

今回は、「教則本は必要かどうか?」というテーマでお話しました。

  • 音楽をたくさん聴く
  • 名盤を繰り返し味わう
  • コピーを通じて耳と体を育てる
  • 教則本は“補助ツール”として使う

これが、私のたどり着いた「学び方」です。

もし、あなたが「なかなか上手くならない…」と悩んでいるなら、
いったん本を閉じて、音楽に戻ってみることをおすすめします。


おまけ:ゆっくり学びたい方へ

もし「ひとつひとつ、ていねいにジャズギターを学びたい」という方がいたら、ぜひレッスンにもお越しください。

私は、とてもゆっくり丁寧に教えるのが得意です。

ちょっとした疑問も、ひとつずつ一緒に解決していきましょう。
(生活費の足しにもなりますので助かります(笑))


どうぞ、これからもあなたらしく、あなたの音楽を楽しんでくださいね