オルタードを理解する前に知っておくべき5つのこと(その2)

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オルタードを理解する前に知っておくべき5つのこと(その2)

こんにちは、ジャズギタリストの小暮です。

今回は、前回に続く「オルタード攻略シリーズ」の第2回目です。
前回の進みが少し速かったという声もありましたので、今回はより丁寧に解説していきます。動画で解説した内容とブログの元記事を合わせて、じっくり理解できる構成にしました。

※記事の最後にPDFもありますので、そちらもご活用ください。


今回のテーマ:アベイラブル・ノート・スケールとコードのつながりを感じよう

アベイラブル・ノート・スケールとは?

アベイラブル・ノート・スケールとは、ダイアトニック・コード(Cmaj7など)に対して使えるスケールのことです。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、実はメジャースケールのスタート位置が違うだけです。

モードの名前と順番を覚えよう

スケールの種類(モード)には次の7つがあります:

  1. イオニアン(Ionian)
  2. ドリアン(Dorian)
  3. フリジアン(Phrygian)
  4. リディアン(Lydian)
  5. ミクソリディアン(Mixolydian)
  6. エオリアン(Aeolian)
  7. ロクリアン(Locrian)

これらは「イドフリミエロ」と語呂合わせで覚える人もいます。

※意味がわからなくても、名前と順番だけでも覚えておくと、後でとても役立ちます!


コードとスケールをセットで練習しよう

ここで大事なのは、コードとスケールをセットで練習することです。

例:Cmaj7のコードを押さえたあとに、その上でドレミファソラシド(イオニアン)を弾く。

次にDm7(ドリアン)→ Em7(フリジアン)…と続けて練習していくと、自然とコードとスケールの関係が見えてきます。

5弦と6弦の位置から練習する

  • まずは5弦ルート(A弦)からCメジャーの各モードを順に弾いてみましょう。
  • 次に6弦ルート(E弦)でも同じように練習。

このときのコツは:

  • 押さえたコードの音を、スケールが通っているかどうかを確認する
  • スケールはオルタネイト・ピッキングで弾く(上下交互に)

こうすることで、スケールの運指が「演奏の中で役立つ形」として身につきやすくなります。


音楽に直結するスケール練習を

ただ指を速く動かすだけの練習は、飽きやすいものです。
それよりも、

  • コードとスケールの結びつきを感じながら
  • 自分の手に合った運指
  • 音楽的な響きを意識しながら

…練習した方が、圧倒的に楽しく、身につきやすくなります。

たとえばAm9のコードを押さえて、その音が通るスケール(エオリアン)を弾くことで、「あ、この音の雰囲気ってこうなんだ!」という発見があります。


情報が多すぎる時代だからこそ、「選ぶ力」が大切

今は情報が多すぎて、何を学べばいいのか分からなくなることもありますよね。

でも大事なのは、

「どれだけ知っているか」よりも、「何を選んで使うか」

オルタード・スケールに限らず、自分の音楽に必要な情報を取捨選択していく力が、いちばん重要なのかもしれません。


今回のまとめ

  • モードの名前(イオニアン~ロクリアン)を覚える
  • コードを押さえた後に、そのコードに合ったスケールを弾く
  • コードとスケールが通る位置を一致させると、より定着しやすい
  • 練習は音楽的な意味を感じながら取り組むことが大事
  • 情報を“選ぶ力”も意識してみよう

次回は「インターバルの観点からオルタードを見る」というテーマでお届けします。
お楽しみに!