第10回:上級者編 〜オルタードと似ているけれど違うものたち〜
こんにちは、ジャズギタリストの小暮哲也です。
いよいよ今回が「オルタードを理解する前に知っておくべき5つのこと」シリーズの最終回、第10回です。
ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。
今回は「オルタードと似ているけれど、実はちょっと違うもの」をいくつかご紹介します。
難易度は少し高めですが、「あ、こういうのもあるんだな」という感じで、まずは知っておくだけでも大丈夫です。
もちろん今回もPDFを用意していますので、譜面を見ながら読み進めてくださいね。
似ているけれど、実は違う!3つのスケール
① コンビネーション・オブ・ディミニッシュ(通称:コンディミ)
よくある定番のフレーズ、じっくり観察すると「5度の音」が含まれています。
でも、オルタードスケールには「完全5度」は含まれないんです。
そこで出てくるのがこの**コンディミスケール(コンビネーション・オブ・ディミニッシュ)**です。
このスケールは「半音・全音・半音・全音…」と交互に進む独特な構造を持っていて、
5度の音や♭9、♯9など、テンション感たっぷりの音が全部入っています。
- 「オルタードっぽいけど、5度があるな…?」と思ったら、このスケールかもしれません。
② ホールトーン・スケール
次にご紹介するのが**ホールトーン・スケール(全音音階)**です。
このスケールはその名の通り、すべての音程が「全音(2フレット分)」ずつ進みます。
例えば、このコードはオルタードスケールで、あてはまりませんよね。
ホールトーンだとナチュラル9th、♭13th、7th、3度、ルート全て入ってますよね
オルタードでは説明がつかない響きが出てきたら、このホールトーン・スケールを疑ってみましょう。
③ ハーモニックマイナー・パーフェクトフィフス・ビロウ(長い名前…)
最後に紹介するのは、ハーモニックマイナー・パーフェクトフィフス・ビロウというスケールです。
このスケールは名前の通り、ハーモニックマイナースケールを「完全5度下の音」から始めた形です。
よく出てくるのは、「マイナーに行くと思わせておいて、メジャーに着地する」ようなハッとするサウンド。
たとえば、
- 「♭9」「13」「メジャー7」が混ざった不思議な響き
- ちょっとエキゾチックで、でも上品なサウンド
こういった時は、ハーモニックマイナー・パーフェクトフィフス・ビロウを考えてみましょう。
まとめ:オルタードの「その先」に広がる世界
今回紹介した3つのスケールは、どれも「オルタードに似ているけどちょっと違う」ものです。
だからこそ、
- 「これってオルタードでいいのかな?」
- 「なんか響きが違うような…?」
と思った時に、これらのスケールを思い出してもらえたら嬉しいです。
ジャズでは、こうした「微妙な違い」や「曖昧さ」を楽しめるようになると、
ぐっと表現の幅が広がります。
オルタードの学びが、皆さんの演奏に少しでも役立てば幸いです。
この10回シリーズ、ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!
今後の予定とごあいさつ
これからも、
- ウォーキングベースの基本
- アルペジオの応用
- 実際のスタンダードでの使い方
など、役に立つ内容をたくさん発信していきます。
もし「このテーマをやってほしい!」というリクエストがあれば、ぜひコメントやメッセージください。
それではまた次回のシリーズでお会いしましょう。