初心者のためのコードの仕組み

この動画で扱っているコード

例えば・・・こういうことの意味がわかってくれればOKです。


コードの仕組みを、わかりやすく説明します

――「C」のコードを例に、基本の考え方を丁寧に整理

こんにちは、ジャズギタリストの小暮哲也です。

今回は「コードの仕組み」について、ギター初心者の方にもわかりやすいようにお話ししていきます。
少し専門的な用語も出てきますが、できる限りかみくだいて説明しますので、安心して読み進めてくださいね。

まず前提として、ここでは「C(ハ長調)」を基準に話を進めていきます。理由は、Cメジャースケール(ドレミファソラシド)にはシャープ(♯)やフラット(♭)が出てこないので、視覚的にも理解しやすいからです。


1. コードとは?その正体は「音の組み合わせ」

コードとは、簡単に言うと「音をいくつか重ねた響き」です。
基本的なコードは、メジャースケールから導き出されることが多く、スケールを知ることがコードを理解するうえでとても重要になります。

たとえば、C(シー)のコード。これは、「ド・ミ・ソ」という3つの音からできています。

  • 「ド」はルート(基準となる音)
  • 「ミ」は長3度(明るさを決める音)
  • 「ソ」は完全5度(安定感を与える音)

この3つがそろうと、明るく響く「Cメジャーコード」になります。


2. Cマイナーコードの仕組み

では、**Cm(シーマイナー)**とは何が違うのでしょうか?

答えは簡単で、「ミ」の音を半音(=フレット1つ分)下げるだけです。

  • C(ド・ミ・ソ) → Cm(ド・ミ♭・ソ)

この「ミ」が「ミ♭」になることで、一気に暗く、切ない響きになります。
つまり、コードの明るさ・暗さは「3度の音」で決まると言ってもいいほど重要なのです。

ちなみに「ソ(5度)」の音は、それほどキャラクターを変える力はありません。あくまでコードの土台を支える役割です。


3. セブンスコードとメジャーセブンスの違い

次に、C7(シーセブンス)と、Cmaj7(シーメジャーセブン)の違いについて見ていきましょう。

  • Cmaj7 は「ド・ミ・ソ・シ」
  • C7 は「ド・ミ・ソ・シ♭」

どちらも「シ」の音を加えたコードですが、maj7はシをそのまま7はそれを半音下げてシ♭にしています。

このわずか1音の違いで、響きは大きく変わります。

  • Cmaj7は、大人っぽくて柔らかい響き
  • C7は、ブルースやジャズでよく使われる、やや緊張感のある響き

セブンスコード(C7)は「ドミナントセブンス」とも呼ばれ、次のコードへ進みたくなるような「引っ張る力(機能)」を持っています。


4. その他の基本コード

ここからは、ややバリエーションのあるコードを簡単にご紹介します。

● Cm7♭5(シーマイナーセブンフラットファイブ)

  • 構成音:ド・ミ♭・ソ♭・シ♭
  • Cm7の「5度(ソ)」を半音下げることでできるコードです。

このコードは「ハーフディミニッシュコード」と呼ばれ、不安定で浮遊感のある響きが特徴です。ジャズでは頻出コードのひとつですね。


● Cdim(シーディミニッシュ)

  • 構成音:ド・ミ♭・ソ♭・ラ(またはラ♭)
  • 「短3度(1音半)」ずつ音が重なった構造

このコードは、非常に緊張感が強く、不安定な響きがします。
次のコードへと導く“つなぎ役”のような存在です。


● Caug(シーオーギュメント)

  • 構成音:ド・ミ・ソ♯
  • 5度の音(ソ)を半音上げたコードです。

名前の「aug」は「オーギュメント=増やす」という意味です。
「C7」のように、ドミナント的な使い方がされることも多く、ちょっと不思議な、でも魅力的な響きがします。


● Csus4(シーサスフォー)

  • 構成音:ド・ファ・ソ
  • 本来入るべき「ミ(3度)」の代わりに、「ファ(4度)」を使っている

このコードは、一時的な“保留”のような響きが特徴です。
その後にCへ解決されることで、安定感が得られます。


5. すべてのキーに共通するルール

これらのコードの成り立ちは、Cに限らずどんなキーでも共通です。

たとえば、E♭(イーフラット)のコードを考えるなら、まずはE♭のメジャースケール(E♭・F・G・A♭・B♭・C・D)を理解することが大前提になります。

なぜなら、コードというのは、スケールの音の“並び方”から生まれているからです。

「コードのことがわからない…」という方は、まずはCメジャースケールをしっかり弾いてみる。
そこから始めてみてください。焦らなくても大丈夫。
スケールが弾けるようになれば、自然とコードの理解も深まっていきますよ。


最後に

コードの仕組みを理解することは、ギターの演奏をもっと楽しく、自由にしてくれます。
一見むずかしく見えるコード理論も、ひとつひとつ噛み砕いていけば、実はすべてつながっていることに気づくはずです。

今回は「C」を例にお話ししましたが、ぜひ他のキーでも同じように試してみてください。
わからないところがあれば、遠慮なくコメントやお問い合わせからご相談いただければ嬉しいです。

コードが“わかる”と、音楽がもっと“ひらけて”きます。
そのきっかけになれたら、とても光栄です。