ギターを手にしたら “まずこれをしよう!”――やさしい練習ガイド

音が変わる!ギターの基本を整える“運指練習”とそのコツ

こんにちは、ジャズギタリストの小暮哲也です。

今日は「ギターの基礎中の基礎」とも言える、音の出し方を整えるための運指練習をご紹介します。

これはジャズに限らず、すべてのジャンルのギター演奏に通じる基本練習です。
年齢や経験に関係なく、音が良くなるための第一歩としてとても大切な内容ですので、ぜひ今日から少しずつ取り入れてみてください。


指番号を確認しよう

まずは左手の指に番号を振っていきます。この番号を元に、パターン練習をしていきます。

指の名前番号
人差し指1
中指2
薬指3
小指4

これを覚えておくだけで、譜面の指示や運指練習がスムーズに理解できるようになります。


基本の運指トレーニング「1234」

まずは6弦の1フレットからスタートして、次のように順番に指を使って弾いてみましょう。

  • 6弦1フレット → 人差し指(1)
  • 6弦2フレット → 中指(2)
  • 6弦3フレット → 薬指(3)
  • 6弦4フレット → 小指(4)

この4つの動きをひとまとまりの「基本形」とし、1フレットずつずらしながら、12フレットまで小指が届いたら折り返してまた1フレットまで戻ります。

これが終わったら5弦→4弦→3弦…と、最終的には1弦まで進めていきます。

🎵 ポイント:メトロノームを使おう!
最初は♩=56くらいのテンポで。慣れてきたら♩=60に挑戦してみましょう。
ゆっくり練習することで、音の鳴り方やタイム感(リズム感)がぐっと安定していきます。


指のパターンを増やしてみよう(全24通り)

「1234」だけでなく、指の順番を変えて練習することで、手の動きが滑らかになります。
全体で24通りの組み合わせがありますので、少しずつ取り組んでみてください。

🎯 指番号パターン(全24通り)

スタート指パターン例(6通り)
1番1234・1243・1324・1342・1423・1432
2番2134・2143・2314・2341・2413・2431
3番3124・3142・3214・3241・3412・3421
4番4123・4132・4213・4231・4312・4321

1日2〜3パターンずつやるだけでも、十分効果があります。
「今日は1324と1432だけやろう」といった具合で、無理なく続けることが大切です。


音がきれいに鳴る!3つのチェックポイント

運指をただこなすだけではなく、「良い音で鳴っているか?」を意識することがとても大切です。

① 弦から1cm以内をキープ

→ 指を必要以上に高く上げない。音が途切れにくくなり、テンポも安定します。

② 次の音を“先読み”して押さえる

→ 右手で弾く直前に、左手をスタンバイ。音のつながりが自然になります。

③ フォームの確認を習慣に

  • 鏡で確認:肘や手首の角度が無理な形になっていないか?
  • 録音して確認:1弦と6弦で音量差が大きい場合、ピックの当て方や角度を見直してみましょう。

応用編:フレットジャンプに挑戦!

基本の動きに慣れてきたら、今度はフレットを一気に飛ばす運指にチャレンジしてみましょう。

たとえば、

  • 人差し指 → 5フレット
  • 中指 → 6フレット
  • 薬指 → 7フレット
  • 小指 → 9フレット

このように「1フレット飛ばし」や「4フレット飛ばし」で練習してみると、素早いポジション移動や瞬発力が自然と身につきます

🎵 ここでも大切なのは、「音が切れないように弾けるかどうか」。
特にポジションを移動する瞬間は音が切れやすいので、意識的に丁寧なつなぎ方を心がけましょう。


おわりに

こうした“運指の基礎”は、シンプルなようでいて実はとても奥深く、
フォーム・タイミング・集中力・持久力と、演奏に必要なあらゆる要素が詰まっています。

「ちょっと今日は集中できないな…」という日でも、こうしたメカニカルな練習は淡々と取り組むのにぴったりです。

ぜひ、今日から毎日の練習に少しずつ取り入れてみてください。
やがてジャズのアドリブやコードワークを弾くとき、“音そのものの説得力”が大きく変わってくるはずです。